メルマガには書かなかったこと vol.4(カット職人・林)


こんにちは。
週刊「僕モテ映画聖典マガジン」内の「終わった恋と、映画を数える」という連載で
映画のカットを数えている、カット職人の林賢一です。

7月最終号の配信、お楽しみいただけていますでしょうか?
配信したばかりではありますが、
いよいよ来週は8月に突入します。
月のアタマ1週目の配信は、毎月特集号をお届けしているわけですが、
ここで来週の特集を発表したいと思います。
題して……

「リオ五輪開幕直前! オリンピックとスポーツ映画特集」(仮)

です。
8月5日に開幕するリオデジャネイロ五輪をきっかけに、
・オリンピックと映画
・スポーツと映画
はたまた、
・身体と映画
・プロバガンダと映画


などなど、様々な切り口で映画を再考できるのではないか?
という狙いがあります(おそらく)。

各執筆陣が種目別で、様々なオリンピックorスポーツ映画を取り上げることでしょう。
ちなみに、わたくしが連載で取り上げる作品は……

市川崑監督『東京オリンピック』(1965)

です。
東京五輪の公式記録映画なのに、脚本がクレジットされていたりします。
そのメンツは……
市川崑
和田夏十
白坂依志夫
谷川俊太郎(!!)


もともと黒澤明監督が撮る予定でしたが様々な理由で流れ、
今井正、今村昌平、渋谷実、新藤兼人ら複数の監督に話がゆき、
最終的に市川崑監督が引き受けたのは有名な話。

上映時間は170分とそこそこの長尺。
果たして、何カットなのか?
そして、オリンピックならではのカットは存在するのか?
もし通常のスポーツドキュメンタリーと違うカットがあるとしたら、それは何なのか?
今から数えて分析するのが楽しみです。

そして8月といえば!
メルマガ主催・入江悠監督が絶賛撮影中の新作
『22年目の告白 ー私が殺人犯ですー』の大規模撮影が
8月1日(月)に行われます。
http://movies.robot.co.jp/extra/iriegumi2016/

執筆陣も多数参加すると思いますので、みなさまと現場でお逢いできることを
一同楽しみにしております。
日本映画を観るだけでなく、
「一緒に作る」というレアな機会だと思いますので
あわせて、よろしくお願いいたします。

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登録初月は無料で読めますので、8月アタマなどよいタイミングだと思います。

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 それでは、来週号でまたお逢いしましょう。


メルマガには書かなかったこと vol.3(カット職人・林)


 【メルマガには書かなかったこと vol.3】

 こんにちは。
 週刊「僕モテ映画聖典マガジン」内の「終わった恋と、映画を数える」という連載で
 新作映画のカットを数えている、カット職人の林賢一です。

 メルマガでは原則として、新作映画だけを語る場なので、
 今回はDVDなどで鑑賞した作品について、少し書きたいと思います。

 最近観た旧作を思いつくまま挙げてみると……

 『ピッチ・パーフェクト』(2012年)
 『カルフォルニア・ダウン』(2015年)
 『福福荘の福ちゃん』(2014年)
 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)

 脈絡はまったくありません。
 劇場公開で見逃した作品かつ、
 深夜に観たいものを観ているだけです。

 『ピッチ・パーフェクト』はずっと観たかったんですが、
 ようやく観ることができました。
 控えめに言って、傑作でした。
 エンドロールの後、すぐさまシナリオ分析をしてしまいました。
 初見の映画は、イチ観客として鑑賞したいので、
 分析目線をできるだけ排除します。
 ですが、傑作の場合は観終わった瞬間にシナリオ構造を分析したくなります。
 とはいっても、プロットを全部書き起こすとか、そこまでするわけではなく、
 どこまでが1幕、2幕はここまでで……ミッドポイントは?
 3幕はココからで、などと箇条書きするくらいなのですが、
 これがまた楽しい。

 映画の秘密(といってもたいしたことじゃないんですが)が
 明らかになるようで、「やっぱりこの作品も作劇がしっかりしてる!」
 などと、幼稚園児が買ってもらったばかりのオモチャを遊ぶように、
 ただこねくりまわすのが悦楽なのです。

 * * * * *

 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』も前評判というか、
 批評などで何度も目にする作品なので、ずっと観たかったのですが、
 なぜか、2016年の夏にふと観ることになりました。
 劇場公開から32年がたっていますーー

 で、観てみたら……
 まったく理解できませんでした。
 時間軸の複雑なSFは好きですし、タイムリープものも大好物です。
 ですが、この作品に関しては理解できませんでした。

 これは作者が説明を放棄しているとかそういうことではなく、
 巡りあいなんだなぁ、と思いました。
 なんとなく大人になって、ふわっと観るということは、
 ある程度の評価や批評を読んだ身を差し引いて、
 カット的に映画だけを観るわけです。
 
 ある意味、文脈などを気にする必要もないし、純粋に観ました。
 その結果、意味がわからない、という(わたくし的な)結末。
 これはわたくしの物語リテラシーが、
 近年のスジが丁寧な映画を観すぎているから低下しているのか。
 それともこの映画が普遍的な複雑さを有しているのか。
 わたくしにはわかりません。
 ただ、これまでの批評で目にしていた、
 この作品が映画史的にもアニメ的にも重要な作品である、
 という大前提はわたくしの中で崩壊しました。
 やはり自分の目で観なくては、ダメだなぁ、と実感しました。

 * * * * *

 さて。
 今週は劇場で『ペレ』という、
 サッカーの王様ペレの伝記映画のカット数を数えてきました。
 来週のメルマガの連載ではそれについて書こうと思います。

 サッカーの試合カットに注目しながら数えたのですが、
 果たして、何カットだったのか?
 スポーツ映画でもあるので、その視点でも何か書ければよいのですが。

 * * * * *

 ところで。
 先週の入江監督が連載で『フレンジー』を取り上げたり、
 わたくしも月に1回、ヒッチコック作品のカット数を数えていることもあり、
 ヒッチコック熱がいつも以上に高まっている1週間でもありました。
 なので、ずっとヒッチコック関連の映画本を読んでいます。

 『ヒッチコック映画自身』(リュミエール叢書・ちくま書房)
 『ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学』(加藤幹郎・みすず書房)

 前者はヒッチコックの各所のインタビューを抜粋したもので、
 後者は『裏窓』についての批評なのですが、
 同事に読むとさらに理解が深まります。
 加藤幹郎さんは「ヒッチコックがインタビューで本当のことを言っているとは限らない」(大意)
 とまで語っています。
 「むしろインタビューでは嘘をついている可能性がある」とまで言います。
 それは『映画術』でトリュフォーの質問に都合良く
 「うん、うん」と相槌をうっているだけの時だってあるはずだ、
 という、アンチ・インタビュー至上主義であったりします。
 むしろ、そういった製作者の証言などを越えたところに映画はある、と。

 これは同感です。
 映画はクイズではありませんし、
 製作者の意図を読み取った観客が勝者になるゲームではありえません。
 極論をいえば、製作者がどういったテーマで作品を作るのか、
 といったことは、製作的には重要だと思いますが、
 鑑賞者としては一切関係がありません。

 わたくし的にいえば、カットだけがすべて。

 であるならば、監督のインタビューなど読むべきではないのでしょうか?
 ここからが困ったことなんですが、ヒッチコックのインタビューはメチャクチャ面白い。
 先ほどの理論とは矛盾しますが、
 カットだけがすべてであるべきなのに、
 そのカットを語るヒッチコックのインタビューも魅力的なのです。
 (繰り返しますが、それが絶対的な正解ではありえないのですが)

 ここは批評をする上で、いつも悩むところです。
 答えを監督なりのインタビューに委ねてもよいものなのか、
 それともカットだけを信じるべきなのか。
 監督の証言は無視すべきなのか。

 映画評論家の方でも監督の証言ありきで批評をしたりする方もいます。
 もちろん、すべての資料を読んだ上で、それを知らないフリをして批評をすることも可能でしょう。

 カット職人としては、監督の証言などは出来る限り参考にするけれど、
 それを答え扱いしたり、証拠として批評に使うことはしない、という原則でカット分析を書いています。

 その意味では、『ヒッチコック映画自身』と『ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学』が
 どちらも魅力的でリーダビリティが高く、素晴らしい書物である! 
 と絶賛することに、自分の中で矛盾はありません。
 (もちろん、『映画術』のあの大きな造本だって最高!!)

 いつかメルマガ主催で、ヒッチコック合宿がやりたいですねぇ。

 * * * * *

 気がつけば7月も下旬になろうとしています。
 わたくしの連載で取り上げる映画は……
 7月第3週ーー『ペレ』
 7月第4週ーーヒッチコック

 となります。
 毎月第4週はヒッチコックを数えると決めているのです。
 そして、すぐに8月第1週の特集号になります。
 去年は戦争映画について執筆陣一同で考えた号を配信した記憶があります。
 今年の真夏の特集号は何になるんでしょうか。
 まだ決まっていないようなので、みなさんもお楽しみに。

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 それでは、今週号でまたお逢いしましょう。

メルマガには書かなかったこと #2(カット職人・林)


 こんにちは。
 週刊「僕モテ映画聖典マガジン」内の「終わった恋と、映画を数える」という連載で
 新作映画のカットを数え続けている、カット職人の林賢一です。

 先週のメルマガ
 『インデペンデンスデイ:リサージェンス』公開記念<宇宙人襲来!映画特集>
 は楽しんでいただけましたでしょうか?
 今週配送号は7月2週目となるので、通常号に戻りますが、
 夏に向けて気温が上がることと比例して、いつも以上に執筆陣が熱い原稿を書くと思いますので、
 もうしばし、お待ち下さいませ。
 (まぐまぐは水曜配送、ブロマガは木曜配送です)

 * * * * *

 さて、わたくしは最近、『神々のたそがれ』をBlu-rayで見直しました。
 特典映像にメイキングも収録されていたのですが、
 その映像もさることながら、ブックレットの出来が素晴らしかったです。
 
 僕モテクルーもこの春、全16ページの小冊子を作ったので、
 なんとなくこういったモノの制作の大変さはわかっているつもりなのですが、
 『神々のたそがれ』のブックレットはシンプルながらも、
 非常に読み応えのあるものでした。

 その中で印象に残っている言葉を少し紹介させて下さい。
 それは監督であるアレクセイ・ゲルマンのエキストラに関する言葉です。

 ゲルマン監督は現場で「エキストラ」という言葉を徹底して排除したらしいのです。
 とはいえ、ご覧の方はご存じだと思うんですが、
 この映画には大量の俳優が登場します。
 しかも、カットの中のいたるところに、です。
 そう、エキストラだらけの映画なのです、『神々のたそがれ』は。
 
 では、どう呼んでいたのか?
 ゲルマン監督は台詞のない俳優部を「エキストラ」と呼ぶのではなく、
 前景俳優、中景俳優、後景俳優としっかり呼んでいたそうなのです。
 これにはハッとしました。

 わたくしはメルマガの連載にて、「カットのレイヤー」について考察したことがあります。
 カットにはたくさんのレイヤーがあり、
 それぞれに動線や美術や俳優が存在している、と。
 『神々のたそがれ』も、もちろん例外ではなく、たくさんのレイヤーが存在しているんですが、
 それをゲルマン監督は、エキストラの呼び方一つで、表現しきっていたのです。
 つまり、最低でもこの映画には3レイヤーが存在している。

 各レイヤーに配置する俳優を、呼び名の段階で、
 きちんとレイヤー分けしていた、ということに感動しました。

 名はすべてをあらわす。
 
 そのことをこんなにもわかりやすく示した例があるでしょうか。

 * * * * *

 この1週間、劇場で観た映画は……
 『フィラデルフィア物語』
 (シネマヴェーラ渋谷のジョージ・キューカー特集にて)
 『ホース・マネー』
 (ペドロ・コスタの新作をユーロスペースにて)
 『ノック・ノック』
 (キアヌ・リーブスの新作をヒューマントラスト渋谷にて)
 『シチズンフォー スノーデンの暴露』
 (ソダーバーグが製作総指揮のドキュメンタリーをイメージフォーラムにて)
 『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』
 (立川シネマシティにて極音上映で)

 詳しくは今週配送号の僕モテメルマガにてレビューします。
 
 このレビューコーナーは、
 執筆陣がその1週間で観た映画すべてを星3つ満点で評価しています。
 このコーナーは、中の人であるわたくしもかなり映画館に行く参考にしていまして、
 しょんじょそこらの雑誌レビューより信頼していたりします。
 ですから、自分が星をつけるときには、いつも迷います。
 これは星3つなのか、いや2つではないか?
 はたまた星1つなのか? いや、星1つという作品はこの世に存在するのか?
 いろんなことを考えます。

 結果、締め切りがきてしまうので、暫定的に星をつけるのですが、
 こればかりはいまだに正解がわかりません。
 どんな人生にもそれぞれの意味があるように、
 どんな映画にもそれぞれの意味や価値が絶対にあるはずです。

 ですから、仮に星1つの映画であったとしても、
 映画館に行って観る意味というのは絶対にあるし、
 もしそれで何も得ることがないのだとしたら、
 それは鑑賞者の責任でもあるとも思うのです。

 それくらい映画というのは広い存在だと思います。
 ですから駄作でも観に行きましょう! というのでは決してありませんが、
 映画から何かを実人生に持ち帰る、という意味において、
 決してそこに何もない映画というのはない、と信じています。
 甘すぎるでしょうか。

 ひとまずは、僕たち執筆陣が新作映画にどんな星をつけているのか?
 その時々の責任を持ってつけているつもりです。
 読者の方は、それを叱咤激励しつつ、厳しい目で見守って欲しいと思います。
 まだ読者でない方は、なんとなく面白い映画が知りたいな〜という興味でももちろん構いません。
 今週観るべき映画は何なのか?
 それは星3つの映画なのですが、それだけを知りたい方でも構いません。
 一度、僕らのメルマガをお試しで読んでもらえればと思います。

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 それでは、今週号でお逢いしましょう。

メルマガには書かなかったこと(カット職人・林)


 こんにちは。
 週刊「僕モテ映画聖典マガジン」内の「終わった恋と、映画を数える」という連載で
 新作映画のカットを数え続けている、カット職人の林賢一です。

 僕ら「僕モテクルー」は毎週、様々な映画について原稿を書き、
 それらをメールマガジンという媒体で、皆さまにお届けしていますが、
 「読みやすさ」を考慮して、文字数に制限をかけていたりします。
 (たとえば、同じメールマガジンでも『水道橋博士のメルマ旬報』が
 文字数がとてつもなく多くて濃いのとは真逆のベクトルです)

 その結果、大原則として僕らは「新作映画」を扱うことにしているため、
 たとえば映画本、もしくは名画座で観た作品、はたまたDVDスルー作品などを
 じっくり扱う場所がなかったりします。

 そこで、このブログでは「僕モテメルマガ」では書かなかった・書けなかったことを
 ツラツラと書きつつ、本業であるメルマガにフィードバックできたなら、などと思っています。

 僕らのメルマガは、主催の映画監督・入江悠による巻頭エッセイ
 「映画でモテると思ってた」ではじまりますが、
 さしずめこのブログが、最新メルマガを振り返りつつ、
 それらを締めくくるような記事になることを夢想しつつーー

 * * * * *

 さて、みなさんは映画本をどれくらい読まれますか?
 大前提として、映画本というのは肩身が狭いものです。
 (僕らの映画メルマガも同じですが)
 なぜか?
 映画というのは、言語にならざるモノをうつしとるからです。
 イージーに言語化できるのであれば、そもそも映画にする必要はありません。
 あくまでも、映画は言語から最も遠いところにあります。
 ですが、僕らは素晴らしい映画に出会ったとき、それを語りたいし、
 誰かに伝えたいと思う。
 それらは悲しいかな、言葉を通じてなされるしかありません。
 ここが決定的に矛盾しています。

 言葉では伝えられないことを、言葉で伝えようとしている。

 つまり、映画本や映画についての語りというのは、
 その存在自体が不可能性をまとっているのです。

 肩身が狭かったとしても、語らなければならない時があります。
 それが映画を語る瞬間であり、映画本が生まれる瞬間です。

 * * * * *

 今、手元に2冊の映画本があります。
 1つは『マッケンドリックが教える映画の本当の作り方』(フィルムアート社)。
 『マダムと泥棒』などの映画監督、アレクサンダー・マッケンドリックによる映画教則本です。
 冒頭を引きましょう。

  映画は媒体である。映画とは、作り手の想像力から、そのメッセージの発信先にいる人々の
  心の目と耳に、特定のコンセプトを伝達するコミュニケーション言語である。
  したがって、そこには絶対的なものは何一つ存在しない。


 もう1つは『建築映画 マテリアル・サスペンス』(鈴木了二)です。
 これも冒頭を引きます。

  『グロリア』を観ていると、つくづくジョン・カサヴェデスがニューヨークという都市を
  細部にわたって知り尽くしていることが分かる。ニューヨークに住んだことのないわたしが
  そう思うのだから不思議な気もするが、でも映画に限らず、描き切れたと言えるものは
  すべてそういうものだろう。


 ここに僕モテ・メルマガ最新号である、入江悠の連載、
 「モテる大人になるための映画術」の冒頭を引きます。

  映画を観る時間がない。
  『ふたがしら2』の撮影が終わり、やっと関東に帰ってきたと思ったら、
  今夏撮る予定の映画の準備がいきなり佳境を迎え出した。
  とはいえ、世の中には時間をやりくりして何としても観ないといけない映画がある。
  日本映画に限っていえば、僕にとってそれは黒沢清監督の新作、ということになる。


 言うまでもなく、いま引いた3つの文章は、
 どれも映画について書かれたものですが、それぞれタッチが違います。
 筆者や時代が違うのだから、当たり前といえば当たり前ですが、
 わたくしにはそれがとても不思議に思えるのです。

 『マッケンドリックが教える映画の本当の作り方』は、カリフォルニア芸術大学にて
 教鞭をとっていた授業用配付資料を基にした書籍。

 『建築映画 マテリアル・サスペンス』は書き下ろしを中心に、
 主に「建築映画」というジャンルの提案をしつつ、雑誌に掲載されたインタビューなどを含む書籍。

 「モテる大人になるための映画術」は30代の映画監督が、撮影現場をこなしながらも、
 毎週、メールマガジンという形態で読者に届ける連載。

 そのどれもが映画を語りながらも、その読者層や目的はむろん異なります。
 
 わたくしが考えたいのは、
 「映画を語る」のは誰のためなのか? ということです。
 自分のためなのか?
 読んでくれる読者のためなのか?
 それとも未来に生まれてくる誰かのためなのか?
 それらすべての人たちのため?

 僕らは映画のメルマガを毎週配送している身として思うのです。
 僕らのメルマガを読んだことがきっかけで、
 ある映画に興味を持ち、映画館に足を運んでくれるのであれば、とても嬉しい、と。

 たとえば僕モテクルーは先週、
 『クリーピー 偽りの隣人』『或る終焉』『君とひととき』
 『葛城事件』『日本で一番悪い奴ら』『教授のおかしな妄想殺人』
 『トリプル9 裏切りのコード』『64-ロクヨン-前編』『64-ロクヨン-後編』
 『エクス・マキナ』『女たち』『アダム氏とマダム』
 『TOO YOUNG TOO DIE! 若くして死ぬ』『帰ってきたヒトラー』
 『貞子vs伽椰子』『フレンジー』『裏窓』『アジョシ』
 『グラン・トリノ』『ぼくのエリ 200歳の少女』『ヴィンセントが教えてくれたこと』
 『ディーパンの闘い』『太陽』

 順不同ですが、これだけの数の映画を語っています。
 (こう並べると、ある種の、2016年6月下旬の映画史として貴重ですね)
 執筆陣は全員が自腹で観ているので、よくある週刊誌の試写レビュー的な
 気遣いや抑制などは一切ありません。
 
 僕らのメルマガは、映画本とレコメンドの中間に位置するのかもしれません。
 批評でありつつ、扇動でもある。
 悪く言えば中途半端、良く言えばフットワークが軽くて身軽。
 それはメルマガという媒体である以上、仕方ありません。
 
 ですが、1つだけ確信しているのは、メルマガでしか伝えられない種類の
 「映画の語り」があり、それを実践する身としてかすかな手応えを感じていることです。
 
 7月第1週の配送号は特集号です。

 『インデペンデンスデイ:リサージェンス』公開記念、〈宇宙人襲来!映画特集〉

 と題しまして、
「宇宙人が地球に来ると、映画はどうなるか」を執筆陣一同で考えてみることにしました。
 映画本1冊にはならない企画かもしれません。
 雑誌の特集としてはあまりページを割けない企画かもしれません。
 ですが、メルマガならできる。
 その凡庸さを僕らは恐れないで、メルマガを配信し続けたいと思います。

 読者の皆さま、配信までしばしお待ち下さい。
 まだ読者ではない未来の読者さま、メルマガでお逢いできたら嬉しいです。
 メルマガ登録初月は無料ですので、ぜひお気軽に。
 
 ではまた。
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