【書評のコーナー出張版】 どんでん通信vol.1

【注意!】この記事では「叙述トリック」を用いた小説を紹介します。
内容にネタバレはありませんが、すべての小説を先入観なく読みたい方は、読むのをお控えください。

―――

みなさまこんばんは。
メルマガ編集担当でございます。

突然ですが、わたしことメルマガ編集担当、
このたび小説を執筆しましたので、ここに発表いたします。
さっそくいってみよう。

メルマガ編集担当で、「富士の番人」。


この場所から富士山を眺めつづけて、今日でちょうど30年。
晴れた日も、雨の日も。
わたしはこのわたしだけに許された高みから、
現れては消え、水蒸気に煙る霊峰の姿を眺めてきた。
無論、ただ無為に眺めていただけではない。
不審者はいないか、ルールを破る者はいないか……。
私の眼は、このユートピアを守る鷹の目であった。
富士の番人。
そうか。それがわたしに与えられた役割だったのだ――。
感傷に浸るわたしに、「客」が声をかけてくる。
戸惑った様子。
どうやら新参者のようだ。
わたしはこう伝える。
「入浴料、450円だよ」



おわかりでしょうか。
わたしはこれを、
叙述トリックのつもりで書いております。
そして、この駄文を書いて気づかされたことがあります。
叙述トリックを書ける作家ハンパねえな。
ということであります。

熱心なメルマガ読者の方であれば、
なぜわたしが叙述トリックの話をしているのか、ご理解いただけると思います。
わたしこと編集担当、
書評コーナーで『イニシエーション・ラブ』を取り上げて以来、
叙述トリック小説にどハマりしているのであります。

※『イニシエーション・ラブ』評が気になった、あるいは叙述トリックってなんだよ、
と思った方、メルマガvol.122をご参照ください。

ミステリーファンの方にとっては自明のことなのでしょうが、
ものすごい量と質です、日本の叙述トリック小説。
この楽しみをひとりで抱えているのはもったいない!
というわけでこの豊かな金脈を読者のみなさんと共有しようというのが、
本ブログ記事の趣旨であります。

つーわけで、メルマガ編集担当による、
叙述トリック小説レビュー、題して「どんでん通信」vol.1
まずは4冊ほど短くご紹介。
さっそくいってみよー!


『殺戮に至る病』我孫子武丸


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著者の我孫子武丸は、アラフォー世代には懐かしいスーパーファミコンソフト
『かまいたちの夜』の原作者。
本作は、叙述トリックの最高峰という声もあれば、
ただのグロ小説に過ぎないという声もある、賛否両論真っ二つに分かれる作品です。
個人的には、『イニシエーション・ラブ』に次ぐ「世界崩壊感」を味わわせてくれた作品で、
これまた『イニシエーション・ラブ』同様、読み終えて即二周目に突入させられました。

世界崩壊度 ☆☆☆☆☆
吃驚仰天度 ☆☆☆☆
ミステリ度 ☆☆☆☆

といったところ。
二回目の読書が一回目とはまるっきり異なる体験となるという点で、
本作は強くおすすめできる叙述トリック小説だと言えましょう。
ただし、わりかしハードな人体破壊模写があるので、
残酷な表現が苦手な方は、控えたほうがいいかもしれません
(※グロすぎるとかなんとかは、作品の評価とは一切関係ないと思いますが)。


『ハサミ男』殊能将之


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「ハサミ男」と呼ばれるハサミで若い女性を殺害して喜ぶ変態が、
驚くべき偶然から、自分の犯行を装った殺人現場に出くわしてしまう――というお話。
連続殺人犯である「ハサミ男」自身が、自ら偽・ハサミ男の捜索に乗り出す、
いわば探偵役を務めるという構造自体が面白い作品。

とにもかくにもトリック命である叙述トリック小説にあって、
本作は登場人物が実に魅力的。
なんなら続編が読みたい! と思ったんすけど著者は一昨年他界。残念です。

世界崩壊度 ☆☆☆
吃驚仰天度 ☆☆☆☆
ミステリ度 ☆☆☆☆



『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午


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名優・駒木根隆介と、『イニシエーション・ラブ』の話をしていた折に推薦された作品。
「究極の徹夜本」と銘打たれた本作は、過去と現在を行き来しつつ謎に迫る構成が見事。
世界もきっちりひっくり返ります。文字色
トリックが決まった後がちょっと冗長な気がしなくもないような気がしなくもなかったですが、
本作は痛快というか快刀乱麻というか、小説自体のテンポがよく、楽しめます。

世界崩壊度 ☆☆☆☆
吃驚仰天度 ☆☆
ミステリ度 ☆☆


『十角館の殺人』綾辻行人

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「新本格」の旗手・綾辻行人のデビュー作。
無人島に集った七人の男女がひとりまたひとりと殺される。
果たして犯人は誰か――といった内容で、大傑作として名高い作品です。
ただし!
恥を忍んで言わねばなりません。
本作の、有名な「世界を一変させる一行」を読んでも、
わたしは当初、まったくピンときませんでした(涙)。

この作品の「一行」で世界がひっくり返る感覚を味わうには、
ほんのちょっぴりミステリーの知識が必要な気がしてなりません。負け惜しみだけど。

世界崩壊度 ☆
吃驚仰天度 ☆☆☆
ミステリ度 ☆☆☆☆☆


いやー。
それにしてもどれも本当に面白かった。
おかげでガチで寝不足であります。

このブームはしばらく終わらなさそう。
ということで、また何冊か読んだらご報告したいと思います!

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